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インタビュー 相談から就農ルートの
システム化で、
新規就農希望者と
農家をつなぐ

自治体の就農支援

一般社団法人 埼玉県農業会議

PROFILE
自治体の就農支援

一般社団法人 埼玉県農業会議

農業委員会ネットワーク機構として、県知事から指定を受けている組織です。農業委員会に対する協力・支援をはじめ、農地転用等に関する審議会の開催、政策提案等の農政活動、農業経営者等に対する支援、農業に関する情報・発信等を主な業務としています。
お話を伺った方:参事・高橋 公敏さん
※写真は明日の農業担い手育成塾でのいちご苗定植の実習風景

組織の取り組み内容について教えてください。

①埼玉県農林部農業支援課、②公益社団法人埼玉県農林公社、③一般社団法人埼玉県農業会議が連携して埼玉県新規就農相談センターという名称で、1年間で13回ほどの相談会を実施しています(新・農業人フェア含む)。
私が参事を務める農業会議では、各市町村の農業委員会に対して、担い手や新規就農者に対する農地の集積、斡旋に取り組むよう指導しているほか、県内市町村等の就農相談関係の資料を収集し、相談会で配布・説明するとともに、相談者に対して現地に赴くよう誘導しています。これにより、延べ250件の相談と11名の就農者の育成に至ったほか、県農業支援課では、平成30年度に就農相談930件、新規就農者310人という実績をあげています。

埼玉県の農業の現状

特徴としては、大消費地の中の生産地ということで、販路に恵まれていることや、日照時間も長く穏やかな気候のため、農業に適しています。また、関東平野の中に位置しているため、起伏が少なく作業しやすい環境であるとともに、「埼玉は日本の縮図」といわれるほど、多くの作物の栽培が可能です。
しかし、農業経営者の高齢化や後継者不足等の理由から、農家数の減少が課題となっております。埼玉県では、県立の農業大学校を有しており、年間90名の学生が入学しているほか、明日の農業担い手育成塾(23か所で開設)での実践研修も行っています。また、県農林公社では見沼田んぼに就農予備校を開設し、研修生を年間50名ほど受け入れているほか、就職就農希望者への無料職業紹介も行っています。

就農希望者からは、どんな相談が寄せられますか?

農業に関心はあるが、どこから始めていいか分からないという方が多いですね。希望する場所も作物も決めてなくて農業経験が全くないといった方にはインターンシップをお薦めしています。そこで一度体験し、自分に農業の適正があるのかを見極めた上で、具体的な相談をしていただければと考えております。
かつて、農業経験がないままハウスでの農業経営を始めた方がいらっしゃったのですが、技術が身についていなかったため農業の厳しさに直面し、すぐに辞められたケースもありました。そんなことがあると、地元の人は新規参入者に対して拒否反応を持ってしまい、農地がなかなか借りられないという事態になってしまいます。

埼玉県で工夫していることを教えてください。

新規参入者が農地を借りられないことや、採算が合わずに農業を辞めてしまうこと、これらに共通しているのは農業技術の不足です。やはり、第一に技術がなければ県の公的機関も団体も真剣な話ができません。また、農家の人も信用できるか分からない人には農地を貸してくれませんので、「まずは学校に通うなど技術を習得するのが先決です」という案内をした上で、その受け皿としての県事業である明日の農業担い手育成塾を紹介しています。明日の農業担い手育成塾では、地元農家の指導を受けながら、 塾によって期間は異なりますが、1~3年間、就農希望地で実践的な研修をすることができます。そこで、自らが経営する機会が与えられ、その結果として農家や関係機関に認めてもらえれば、卒業後も研修した農地で就農できる(※)というシステムです。このシステムが好評で、他県からも問い合わせがあるぐらいです。
※ 塾により異なる場合があります。

最後に、農業を志す方にメッセージをお願いします。

埼玉県の就農相談会では、希望者の考えを伺った上で、就農までの流れを詳しく紹介しています。相談カードはカルテ化し記録しているため、次の相談先に事前に知らせることで相談内容が重複することなく、より深い内容での検討が可能となっています。
また、私たちは、埼玉県で就農いただくことにこだわらず、日本全国で農業従事者が育つことを願っています。相談内容を伺った際に、埼玉だけでなく他の地域が適していると判れば、県を横断して最適な場所をお話することもあります。
 事前に農業経験をすることは、自分の進むべき道を誤らせないための防止策と思ってください。そして、自分一人で悩まず、まずは就農相談会に来ていただければと思います。

※内容は取材当時のものです。

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