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インタビュー 脱サラで独立就農し、
野菜生産と物流事業で
従業員数は現在160人超

脱サラ

株式会社HATAKEカンパニー代表 木村 誠さん

PROFILE
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株式会社HATAKEカンパニー代表 木村 誠さん

木村 誠さんが1998年に独立就農、2007年に法人設立。従業員数は社員約60名、パート約100名。茨城県内に100ヘクタールの農場、出荷センターを持ち、県外にも拠点を拡大しながら、ベビーリーフをメインとした野菜生産・パッキング・物流までワンストップサービスを展開しています。

事業内容を教えてください。

1998年に夫婦で独立就農、2007年に農業法人を設立しました。現在は約60名の社員と、ベビーリーフをメインにハーブや葉物野菜等を生産しています。茨城県内の100ヘクタールの農場を4エリアに分けて栽培し、愛知県にも4ヘクタールの自社農場を持っています。その他、大分県、宮城県、北海道にも提携法人の生産地があり、つくばの生産が落ち込む夏冬をカバーしています。
2015年に物流事業も立ち上げ、12台ほどのトラックを所有しています。自社物流によって細かく時間を指定される発注にも対応できるようになり、最近では東京都内のレストランとの直の取引も始めるなど、弊社の武器になっていますね。自社商品ばかりでなく、茨城県内の生産者の商品の集出荷もしているので、地域を助ける役割も担えている感触があります。

就農のきっかけを教えてください。

実家は埼玉県にある歯車加工の町工場で、自営業の家庭で育ったからか、「自分も社会に出たら事業を起こそう」と学生時代から決めていました。大学卒業後は簿記学校、塾講師を経てミネラルを研究する会社に入社し、そのタイミングで茨城県に引っ越してきたのです。
その会社のメイン事業が葉物野菜や根菜の成長促進ミネラルで、仕事を通して農業と関わるようになりました。さまざまな農家と出会うなかで、自分でも野菜を栽培してみたいと興味を持ったのが就農のきっかけです。夫婦とパートの3人で年間に5000~6000万円を売り上げるような農家を数多く見て、農業のチャンスの大きさに魅せられましたね。農業法人に入ったり、研修をしたりといったステップはなしで、新規就農=独立就農でいきなり農業の世界に飛び込ました。

独立就農ではどのような準備をしましたか?

独立に際しては、つくば地域の農業改良普及センターに大変お世話になりました。土地と資金を借りる程度しか就農準備の知識がないなかで、農業計画の構築、支援金の申請方法など、役立つアドバイスを多数いただきました。農場に関しても、私は前職で慣れ親しんでいたつくば市を農地に希望していたものの、住まいは隣町でした。自宅と農場で市町村をまたぐというのは、通常ではありえないことなのですが、センターの担当者が「慣例に縛られず新しい農業の形をつくりましょう」と農協や各機関に根回しをしてくれて実現したのです。
センターの多大な協力を得て、初めて借りた農場は38アール。小さなハウスを8棟建てて、小さな100万円ほどのトラクターと一年分の肥料を購入しました。それが私の農家としてのはじめの一歩、31歳のときでした。

農業の技術はどのように身につけましたか?

前職で知り合った農家に、肥料の撒き方から収穫の方法まで全てを教わりました。まず自分の農場で挑戦してみて、疑問が生まれたらすぐに質問して、トライ&エラーを繰り返しながら身につけていったのです。しかし、それでも始めたての頃は苦労しましたね。特に苦しんだのは冬です。つくばの寒さは予想以上で、マイナス10度まで下がる日もあるほど。生産がストップし、春まで収入がない状況に陥ったのです。今思えば冬の野菜を栽培すれば良いのですが、季節で作目を分けられるような技術や知識を当時は持っていませんでした。
安定的に作物を栽培するためには、農業技術の習得が必須です。とはいえ最初から上手くはいきません。失敗しても次の成功のために、楽しみながら試行錯誤できる人は農業に向いていると言えるでしょう。

最後に、農業を志す方にメッセージをお願いします。

農業は職業として、良い選択だと私は思います。美しい自然のなかで仕事ができるのは最高に気持ちが良いですし、自分の力でチャレンジしていくことができるので、やりがいに溢れています。しかし、決して楽な世界でもありません。台風などの災害があれば大きな打撃を受けてしまいますし、過酷な環境なのです。それだけに、いきなり独立就農しても成功するとは限りません。まずは最低限、農業で生活ができるようになることを一番に考えてください。農業法人に就職して給料をもらいながら技術を身につけるのは有効な方法です。また、独立をするにしてもどこかの農業法人のグループに所属すれば、困ったときにフォローしてもらえます。しっかりと環境を整えて就農することが大切なのです。

※内容は取材当時のものです。

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